忍者ブログ

偶爾會想

駅長室に運ばれる

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

駅長室に運ばれる

昨日、大阪港への引っ越しと相成った。相変わらず「天保山」と言わないと通じない人が多いが、住所は港区築港1丁目、何と言われようと「大阪港」である。引っ越しの理由も前回記したが、我が家の財政状況を鑑みて、「今より3万5千円以上、家賃を抑えよう」というところから、物件選びが始まった孔聖堂中學好唔好
 
 第27回でも綴ったが、私の人生は正にジプシーであって、今度で8つ目の住まいである。平均すれば5年に一度転居している計算になるが、なかなか根を下ろして「その土地の人」になれない。出身は枚方であるが、ここで暮らしていたのもわずか4年ばかり、“生まれ故郷”のことを時々抒情的に語ってはみるのだが、私のどこを叩いても、北河内の匂いなどしない。かと言って、一番長く暮らした天満は、今もJR環状線でしばしば通るのだが、車窓を眺めても、あまり懐かしいという気持ちにならない。最もしっくり来るのは淀川区で、居住歴は通算8年ではあるけれども、なぜか北摂の地にはそこはかとない愛着と郷愁を覚える。だから、結婚して最初の住まいは再び淀川区を選んだのだし、今回の引っ越しに際しても、何とか遠く離れぬところで見つけたかった。しかも、勤務先では「北摂会」なる会合を主宰しているくらいだから、会長の私が淀川より南下することは何としても許されないのだ施政樂
 
 築年数が少々古くてもよいから、「淀川を越えない」ことを念頭に、賃料を始めとする諸々の条件を設定して、方々の住宅情報サイトを検索する。しかし已んぬるかな、梅田まで10分少々などというところに好物件などあるはずもなく、あっても他のネックとなる要件が重なり、検索範囲はどんどん郊外へと広がってゆく。ところがここで一つ、立ちはだかる壁がある。郊外物件の半数以上について回る、「駅からバス」という条件が飲めないのだ。私の帰宅が遅いため、最終バスに間に合わない可能性が多分にある、換言すれば、毎日タクシーで帰宅などしていたら引っ越し自体の意味がなくなるのも理由のひとつだが、それ以上に問題なのは家人である。他に類を見ない三半規管の弱さと血圧の低さを誇る女で、車に3分乗るだけでもみるみるうちに顔から血の気が引くのだ。従って、毎日バスで通勤するなどとんでもない話なのである。ならば電車ならよいかと言えばそういう訳でもなく、満員電車で10分以上揉まれていると必ず貧血を起こし、駅長室に運ばれる。
 
 全く面倒な話であるが、故に、郊外なら「始発電車のある駅」が必須の要件となる。大阪府内の北摂地域でこの要件を満たすのは、JRの高槻、阪急の高槻市・北千里、それに北大阪急行の千里中央のみである。これに「駅から徒歩圏内」という条件を加えれば、間取りを狭くしたところで賃料予算内の物件など見つかる訳もなく、必然的に兵庫県まで検索範囲を広げることになる。「須磨浦公園までは摂津国」と自身に言い聞かせつつ血眼で探し、やっと見つけた好物件は、山陽電鉄の板宿から徒歩3分の場所であった。板宿には始発電車はないが、新開地まで辛抱すれば、阪急・阪神の始発が待っている。帰りも阪神梅田から乗車すれば、姫路行きの直通特急で50分弱、乗り換えなしで帰宅が可能だ。これにしようと決め、不動産屋にアポを取ろうとしたのだが、ここで夫婦揃ってはたと、また一つ、重要なことに思いを致す。二人とも「朝が弱い」のだ。特に、低血圧の重篤患者である家人が今より1時間近くも早起きせねばならぬなどあってはならぬことで、「これはあかんわ」ということで、居住地選びは白紙に戻る施政樂
PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R